習い事をするならスイミングからかなぁって思ってた。
娘が生まれて2年くらい経った頃、ようやく育児にも慣れてきて、「先の育児」を想像する余裕がでてきた。
七五三だとか、小学校だとか。どんな感じになるのかなぁ/しようかなぁっていう想像。
もちろん誰しも考えたことがあるだろう「習い事」について自分の考えを巡らせたときに、
「スイミング」は割と早い段階からやらせてあげたいなと思っていた。
というのも、娘が大のプール好きだったのだ。
2歳になって浅瀬の市民プールに連れていくとはしゃぎまくり、泳げもしないのに両手足をバタつかせてイメージだけは一丁前にどうにか泳ごうとする(結果溺れる。)
泳げないくせに深いほうのプールにひたすら行きたがる……。
あまりに好きすぎたため2歳〜3歳の夏はとにかく猛暑の中暴れまくる娘を抱えてプールを(私が)練り歩く羽目になり、私自身も疲れまくったし、すぐに溺れそうになるため「死なせないようにする」ためプロに泳ぎ方を教えてあげてほしい、と思っていた。
それに、スイミングって全身運動だし、体力もついて風邪も引きにくくなるだとか、いい効果しか聞かないしね。
だがしかし!2歳になっても3歳になっても、トイトレが完了しない。
スイミングは基本的に、オムツが取れてないと行けない。
トイレには1歳半ごろから行って無理のない範囲でさせていたものの、

もも、トイレいかにゃい!
などといって拒否をすることも多く…。
(あと私自身、フルタイムで働いていたこともありなかなか覚悟が決まらなかった。笑)
そんなこんなで気づけば年少さんに。。
もうすぐ4歳になっちゃうなぁ、オムツほんまにいつか取れるんかなぁハハハ。゚(゚^Д^゚)゚。 と笑っていたらば、

ももちゃんオムツ取れたかもです〜!

え?!!😮
新しいクラスになって1週間経ったくらいだろうか。
急にオムツがほぼ取れた。
前の2歳児クラスではゆる〜くオムツをとることを促していた様子だったのが、新しいクラスになったら先生のスタンスとして「是が非でも取る。絶対に取る🔥」というバキバキのトイトレスタイルだったようで、基本的にオムツは履かない、漏らそうが何しようがおねえさんパンツを履かせる、という強い意志があった。
そのため周りもどんどんおねえさんパンツになっていき、友達同士でトイレに誘い合うようになり……。

おしっこでちゃう。といれいく!💦
これはもう乗るしかねぇこのビッグウェーブに✨、と私も腹を決め、
トイレに頻繁に誘うようにし、寝る時もオムツをやめ……を徹底したら、
夜中におねしょを2回くらいしたものの、マジでまったく漏らさなくなったのだ。
本当にいきなりオムツを卒業した。
感動とともに、私はマジで実感したことがある。
それは、この子は環境さえちゃんとしてれば、できる子なんだということ。
人間は環境にものすごく左右される生き物なんだということ。
ももは家では偏食なのだが、保育園ではきちんと完食しているらしい。
家でダラダラちんたら食べているのは、TVがついているからだとか、ご飯があまり好きなものではないだとか、おそらくうちの「環境」のせい……。
もちろんあまりにだめな態度だと叱るのだが、私にはシングルマザー特有の悩みがあった。
それは、ひとり親ゆえ、「叱る」と「甘やかす」の両立が難しいこと。
外でたくさん頑張ってきてくれる子供の味方でいてあげたいから、帰ってきてほっとするような家、なんでも悩みを話せるような親になりたいとは思っているものの、あまりに叱り飛ばすとその実現が難しい気がしていたのだ。
きつく叱って泣く我が子を慰めるために、抱っこする自分……この矛盾……。泣いたのは私のせいなのにな??
これが両親揃っていたら、父親は厳しく、母親は甘く、など
ある程度の「役割分担」ができていたかもしれない。
だがうちはシングル家庭。
子の自己肯定感を上げるのも私、マナーなどのしつけをするのも私……!
なんだか二重人格みたいになってしまう;のが悩みであった。
で、気づいた。そうか。
ももは今回「保育園での環境」でトイトレが完了できたのだから、そう……
うちの場合は「しつけ」も外注すればよいのでは?!?!✨と、閃いたのだ。
オムツも取れたことだし、「スイミング」も「しつけ」の一環たりうるはず!! これだ!!
と私は意気揚々とGWの体験教室へ申し込んだ。
はじめてのスイミング体験教室
通うなら家から近いココ、とはなから教室を決めていた。GWにワンコインでスイミング体験ができるとのことで、水着をもって向かわす。
いくまでは「プール? たのしみ〜〜💕」と明るい声をあげていたももだったが、
着替えを済ませ、一番乗りでプールサイドへ向かうと

こんにちわ~~!!!! コーチだよ~~!!(クソデカボイス)

?!?!
大柄で声の大きいガハハ系の女性コーチ(背も高い)に、
出会い頭に衝撃を受け、固まる娘。
そこから

うわ~~~~~~~~ん!!! イヤ~~~~~!!!!
号泣も号泣で、私にすがりつきまったく参加できないももちゃん。
その時の体験教室では子供は8人。うち1人もコーチに圧倒されたのか、泣きながら参加。
しかし、私に縋り付いて全く離れようとせず、水に足先すらつけれないほどの状態はもも一人!

も、ももちゃん、、、ちょっとだけでもやってみよ?!

イヤ~~~~~!!ままはなさないでぇ~~~~!!
1時間中、そんな調子で40分経過!
これもうダメかも、、、とあきらめかけたその時、プールに滑り台が出現。

ももちゃん滑り台だけでもやってみない?
頑張れたらチョコのアイス買ってあげるよ!💦
同時にアイスでも釣ってみると、ももはようやくヒグヒグと泣きながらも
滑り台に興味津々で、ソロリソロリと近づき……

スイーーーーッ キャッキャッ ✨
最後の20分だけどうにかプール内で滑り台を楽しんで、終了~~。
こんな有様でしたが、どうだった?と聞くと、「もも頑張ったでしょ。たのしかったヨ」とあっけらかんと言い放ったので、これはもう「慣れ」しかない……!と私は本申し込みをしました。
しかし希望の日時が空き待ちで、すぐには行けず。
待つこと約1か月、「空きが出たので来てください~」と連絡をもらい、
いざ! スイミングデビューへ!!!✨
初めてのスイミングと、その後
結論から言うと、最初のスイミングも大変でした。笑
プールサイドを見ただけで「あの時のコーチ」を思い出したのか、イヤ~~~~~!!とまた泣きだしたので、最初はプールサイドで見守っていました(暑いなか。)
あの時のコーチではなく別のコーチで、抱っこされながらむくれてビタイチ手足を動かさない娘。。。やはり早計だっただろうか、と焦る私。。。
しかし! なんか、魚の形をしたリングのおもちゃがプールの底にバラまかれ、
「これを手か足でとってみてくださ~い!」のくだりの時に反応し、足で取ったものをコーチに渡して褒められ……るとできるようになり。
トイレ休憩後は、もう私が傍にいなくても大丈夫かな?!と2階の観覧席から見守ってみたり。
知らない友達のあいだで、ちらちら私のいる2階席に手を振りながら、プールの中をぴょんぴょん飛んだり、足をバタバタしてみたり。
終わったらまたアイスを食べて「もも楽しかったよぉ」とこれまた余裕の一言。
さらに、2回目のプール。
これまたプールサイドに行くのを嫌がり(嫌がるんか~~い笑)

なにがイヤなん??
と聞いても

ワカラナイィ!!!
と言って要領を得ない。
もうこれはとにかく「慣れさせる」しかない……と、また抱っこしてプールの入り口まで連れていくと、コーチが近づいてきて私からひっぺがし。イヤァァ~~!!とこだまする娘の声……。
しかしながらキリがないので、最初から2階の観覧席にあがって見守ってみると。
最初の10分くらいはコーチに抱っこされていたものの、ペッと他の子どもの隣に並べさせられると、準備運動中は絶望顔でうなだれていたものの、やがて徐々に手足を動かし出し……、
まわりの子供の動きを見ながら、あわせてコーチの言う通りに動き出す娘。

で、できとるやないかい……!👏✨笑
その時は、コーチと手を繋いで一緒にプール内に頭まで潜ったり、
「けのび」みたいにスイーッと足を延ばして泳ぐ練習、みたいなのも出来てたんですよね。
いや、やっぱりももは「やればできる子」なんだわ……!
子供って、すごいなぁ……。
そんなことをしみじみ思いながら、観覧席でももを見下ろしている自分自身も不思議に思った。
思い出したのは母(もものばあば)に、スイミングに行くことになったと伝えたときのこと。

最初は泣くかもしれないけど、プロにまかせとけば大丈夫だからね。
あなたたち(私と弟)も楽しんで行ってたよ!
私自身スイミングに通っていたので、もものやってることを見て、自分の記憶も思い起こされていた。
プール独特の塩素のにおい、冷たくて激しい出のシャワー、準備運動、もぐったりけのびしたり、足をバタバタしたりビート板につかまって泳いだり……。
そして、2階の観覧席にいた母(ばあば)に向かって、手を振ったことも。
その頃の年齢はわからない。4歳だったのか5歳だったのか。
だけど、よく高校の友達に「シキって本当にどこに旅行いったかとか全然覚えてないよね」と苦言を呈されるほどには昔の記憶を覚えていない私が、いまだ覚えている光景。
まさか自分がこの場所から、娘のスイミングを見守ることになるなんて、思ってもみなかった。
育児の醍醐味のひとつとして、子供を通して、自分の歩んできた人生の裏側を知れた気になる、ってことがある。
A面しか知らなかったけど、裏では実はこんなB面があったんだ、っていう。
それは乳児を育てる大変さだとか、お金のかかり具合だとか。
習い事もそう。通わせるにはどんな手続きを踏んで、どんな費用がかかるか、っていう。
そして子供は楽しかったりイヤだったりするけど、親側はこんな気持ちがあったんだ、とか。
もうね、それが、
めっちゃくちゃエモいんですよね。
映画とかでいうと「木更津キャッツアイ」だとか
「カメラを止めるな!」だとか
「イニシエーション・ラブ」だとか……のね!
A面B面の面白さってあるじゃない。
こういう面白さを現実で体感できるってすごいことよね。
赤ちゃんの頃はなにもできなかったのに、オムツもとれたし、泳ごうとしているのもすごいし。
あのころ自分が通った道を、娘も通っている、そんなさまざまに感動して、それから、自分の親もこんな気持ちだったかなぁと感慨にふける。
育児って本当に、世の中の解像度が急にあがる面白さがある。
本当はこの世界が壮大なスケールの物語であふれていること。
道行く知らない人の誰もが親から莫大な時間と愛情とお金を受けて育ったこと。
子供を育てている人がみなとんでもない苦労をしていること。そんなことが身につまされる。
そしていつか、忘れっぽい私でもこの光景を覚えていたように、
いつか娘が、自分の子供にも同じような光景を重ねるかもしれない。
そんな連綿とした壮大な空想をすることも幸せで。(めちゃくちゃ気が早いけども。笑)
将来が明るくなるし、現実が楽しくなる。
だってこの先もきっと、娘の初めてのA面をそばで見れながら、自分はB面側を味わえるのだから。
スイミングが終わった娘はニコニコと「もも泳いでたのみてた?」と聞いてきた。
これまた最初のギャン泣きは嘘だったかのように得意げである。
「みてたよ。じょうずにできたね」
と、娘が産まれてから何千回と言った誉め言葉を口にする。
私自身も、母から言われたことがあるこの言葉。
同じでありながら違うこの光景、このやり取りも、歳を取っても忘れずにいたいな。
そんなことを思った。
スイミングを通して育児のエモを改めて感じた話でした。笑
まだまだこれからもスイミングも人生も続いてゆく……!✨
ももちゃん、これからも一緒にがんばっていこうね。
<おわり>
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🌸【スイミング始めるにあたり買ったもの】🌸